京都大学医学部附属病院 放射線治療科

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当科医局員 花澤の論文が採択されました

当科医局(現:大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院)花澤の論文がJ Radiat Res誌に採択されました。

 

https://academic.oup.com/jrr/advance-article-abstract/doi/10.1093/jrr/rrab093/6382417

 

以下、論文の内容です。

 

手術適応のない早期肺癌の患者さんへの治療としてSBRT(体幹部定位放射線治療)が用いられます。SBRT後の予後解析においては、しばしば全生存率やがん特異的生存率が評価項目に設定されますが、本研究では肺癌以外の原因での死亡(=非肺癌死)に着目しました。なぜならSBRTの対象となる患者さんは手術適応となる方に比べ高齢で併存疾患が多く、非肺癌死のリスクが高い傾向にあるからです。非肺癌死のリスクを事前に予測し、患者さんと共有することで、患者さん自身が納得のいく治療選択をできる可能性が広がります。

統計学的手法により抽出された以下の4因子、年齢・BMIPerformance StatusCharlson Comorbidity Indexにスコア付けを行い、その合計点によって3群に分ける予測モデルを作成すると、良好に非肺癌死リスクを分離できることがわかりました。また、本研究は大船中央病院との共同研究として実施しており、この予測モデルの有用性を独立した2施設のデータで検証することができました。臨床現場において簡便に用いることのできるツールとして、役に立てば幸いです。


※当科業績はこちらよりご確認ください。