京都大学医学部附属病院 放射線治療科

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治療設備紹介

治療に用いる放射線を発生させる装置をリニアック(医療用直線加速装置 Linear accelerator)といいます。当院には高精度治療に特化したVero4DRT、TrueBeam STxの他に2台の汎用リニアックがあり、合計4台のリニアックを有しています。

放射線治療装置 Vero4DRT(三菱重工業)

我々の持つ高精度放射線治療技術と、三菱重工の最先端加速器技術およびロボット技術の融合により完成した純国産の次世代画像誘導型放射線治療システムです。 以下の優れた特長を有します。

1. 高精度ピンポイント照射
新開発の超小型加速管とジンバル機構により、病変に対し高い精度で治療X線ビームを集中させることができます。また、これを患者さんの呼吸に合わせて行うことで、動体追尾照射を実現可能です。

2. 高度な画像誘導機構
2組の診断X線イメージャーにより骨格に基づいた位置照合を短時間かつ高精度に行います。また、コーンビームCT機能を用いることにより骨格だけでなく臓器構造に基づいた位置照合をすることも可能です。

3. 患者さんに優しいセットアップ
治療ベッドは平行移動だけでなく回転誤差の補正も可能であり、体位のズレをより正確に補正することが可能です。また、Oリング型構造のガントリーは、治療ベッドを回転させることなく定位照射を可能としています。これらの機構により、患者さんは一度治療ベッドに寝ていただくだけで、治療を終えることができます。

肺腫瘍、脳腫瘍、前立腺癌のような比較的小さなかつ定位放射線治療や強度変調放射線治療が必要な部位の治療に使用しています。

本装置は、2008年に経済産業大臣賞(産学官連携功労者表彰)およびグッドデザイン賞を受賞しています。

放射線治療装置 TrueBeam STx(バリアンメディカルシステムズ)

TrueBeam STxは定位放射線治療や強度変調放射線治療などの高精度治療を極めて短時間に,かつ高精度で行うことが可能な次世代放射線治療システムです。以下の優れた特長を有します。

1. 6種類のエネルギーが選択可能なマルチエネルギー装置を搭載
通常の放射線治療機器は2-3種類程度のエネルギーしか選択できませんが、当院のTrueBeam STxは6種類のエネルギーが選択可能です。エネルギーを使い分けることにより、照射したい部位の体表面からの深さに応じて、最適な線量分布を可能にし、より精度の高い治療が可能になります。また6種類のうち2種類はフラットニング フィルタ フリー (flattering filter free:FFF) での高線量率X線エネルギーの出力が選択可能であり、極めて短時間に高精度治療を行うことが可能となっています。

2. 高度な画像誘導機構によりスピーディーなセットアップが可能
X,Y,Z方向及びアイソセンタ回転の標準4軸駆動に加え,Roll,Pitch駆動を追加した6軸治療台を有しており、X線透視画像によりリアルタイムに患者セットアップ位置のズレを検出し、自動的にベッドを動かして補正するシステムを有しています。

3. 2.5mmMLCにより高度に腫瘍にフィットさせた照射野が実現可能
TrueBeamは中央部には32対の2.5mmマルチリーフコリメーター、辺縁部には28対の5mmマルチリーフコリメーターを備えており、小さな腫瘍に対しても、凹形状の腫瘍に対しても、高度にフィットさせた照射野を作ることが可能です。

2015年8月より前立腺癌、頭頚部癌、婦人科癌、食道癌を等のように腫瘍と正常臓器が近く、強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導を用いたより精度の高い放射線治療技術が必要な症例の治療に使用しています。

放射線治療装置 Clinac iX、TrueBeam
(バリアンメディカルシステムズ)

第4治療室

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第5治療室

当院の汎用リニアックには5-10mm幅のマルチリーフコリメータが装備されています。このコリメータを用いれば病変の形状にあった照射野の設定が可能になるため、正常な臓器への不要な照射を避けることができます。

高線量率小線源治療装置 マイクロセレクトロン-V2
(ニュークレトロン)

この装置はあらかじめ患者さんの病巣に留置したガイドチューブの中に、遠隔操作でイリジウム192という放射性同位元素を通すことによって病変を治療します。線源の位置はコンピュータで精密にコントロールされ、病変部に放射線を集中することができます。 患者さんの病変部以外の被曝を大幅に軽減することが可能です。

CTシミュレータ SOMATOM Definition AS(シーメンス),
LightSpeed RT16(GEヘルスケア・ジャパン)


LightSpeed RT16

SOMATOM Definition AS

CTシミュレータは、放射線治療の開始前に、治療計画(どのように放射線を照射するかの計画。)を実施するためのシステムです。CT画像上で病変部位と正常組織を確認しながら計画を行うことで、患者さん一人一人に合わせて、正常組織を避けつつ腫瘍に集中して放射線を照射できるような計画を立てることができます。また、腫瘍の動きを加味した「4次元 CT」の撮影が可能となっており、特に肺の底部や上腹部のように呼吸により大きく動く部位の腫瘍において、腫瘍の動きを把握し治療計画に盛り込むことができます。

X線シミュレータ Acuity (バリアンメディカルシステムズ)

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X線透視画像を用いて放射線を照射する方向・範囲を決定する位置決め装置です。現在ではほとんどの患者さんでCTシミュレータを用いた治療計画が行われますので、X線シミュレータは肺がんに対するピンポイント照射の治療計画において、腫瘍の呼吸性移動を確認するような場合に限って使用されています。

放射線治療ネットワークシステム

各種の放射線治療装置、治療計画装置は、コンピュータ上でネットワーク化されており、全体が統合されたシステムとして稼働しています。そのため、患者さんの文字情報や画像情報を正確、迅速かつ適切に利用することが可能になっています。

高度な放射線治療計画装置、治療装置を備えるとともに、それらをネットワークで結び、最先端の放射線治療に取り組んでいます。