医学物理士を志す方へ
医学物理士へのお問い合わせは医学物理G独立ホームページをご覧ください。
医学物理士とは
医学物理士とは、放射線を用いた医療が適切に実施されるよう、医学物理学の専門家としての観点から貢献する医療職のことです。放射線治療分野における医学物理士業務としては、下記6項目が挙げられます。
- 治療計画における線量分布の最適化および評価
- 治療精度の検証、評価
- 治療装置・関連機器の品質保証・管理(QA・QC)の計画、実施、評価
- 治療装置・関連機器の受け入れ試験・コミッショニングの計画、実施、評価
- 放射線治療の発展に貢献する研究開発
- 医学物理学に関する教育
欧米では約6,000名の理工系大学院を修了した医学物理士が大学機関、医療機関、研究機関等で活躍していますが、日本では医療現場で活躍している医学物理士は圧倒的に不足しているのが現状です。その背景には、医学物理士育成のための体系的なカリキュラムが存在してこなかったことがあります。
京大病院放射線治療科 医学物理グループ
当科の医学物理グループは、教員4名、大学院生2名から構成され、放射線治療分野における基盤研究、臨床研究、臨床支援、QA・QCを通じて、当科の医学物理的側面を全面的にサポートしています(研究の詳細は研究活動を参照してください)。当グループは欧米型の医学物理部門を実践的に展開できている数少ないグループでもあります。本学工学研究科との連携により本格的な医学物理教育を開始しており、医学物理学士認定機構から医学物理教育コースの正式認定を受けるなど、日本を代表する医学物理グループの一つです。
医学物理士を志す方へ
将来医学物理士を志す方に対しては、下記に示す京都大学医学物理士育成コースがあります。また、既に大学院生であっても、我々のグループ活動に興味ある人は、研修生という形でグループの一員として臨床研究あるいは研修を遂行することが可能です。 ただし、比較的長期にわたり当教室に在籍し活動できる方が対象となります。
臨床研修
放射線治療計画を医師と共同で実施すると共に、臨床支援ソフトウェアの開発も行っています。4次元CT撮影や動体追尾照射、息止めIMRT照射などでは放射線治療に立ち会い、治療の補助業務も担当しています。 また、IMRTなど複雑な放射線治療に対しては、患者さんへの治療の照射を行う前に、計画通りの適切な照射が行われることを実測して確認します。このような治療計画の品質管理業務や、放射線治療装置の品質管理・品質保証業務も、放射線治療専門技師や品質管理士と連携して行っています。
物理G卒業生の声
実際に当教室で研修を行った卒業生の声です。
医学物理士育成コース
京都大学では、本格的な医学物理士育成のための大学院教育を2008年4月から開始しております。これには医学研究科放射線腫瘍学・画像応用治療学と工学研究科原子核工学専攻が連携して関わり、最先端がん治療に関する臨床経験と幅広い量子物理工学の素養を総合的に修得できるようになっています。さらに2008年から5年間にわたり行った、「がんプロフェッショナル養成プラン」、2013年から4年間にわたり行った、「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」、2017年から新たにスタートした、「多様な新ニーズに対応するがん専門医療人材(がんプロフェッショナル)養成プラン」とリンクしています。このプランは医学物理学士認定機構から認定医学物理教育コースの正式認定を受けています。詳しくは下記を参照ください。
がんプロフェッショナル養成プラン
医学物理士認定機構
工学研究科先端医学物理領域
問い合わせ先
担当: 中村 光宏 電子メール:radonckuhp.kyoto-u.ac.jp (スパムメール防止のため、は画像になっています) 電話:075-751-3762