京都大学医学部附属病院 放射線治療科

menu

当科医学物理グループ足立の論文が採択されました

当科医学物理グループ足立の論文がMedical Physics誌に採択されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36932977/

以下、論文の内容です。

放射線治療を施行する上で多種多様な画像が取得されており,腫瘍内関心領域から肉眼的に確認できない膨大な定量的画像特徴量を抽出することが可能です.これらの画像特徴量と臨床転帰の間に内在する何らかの関係性を網羅的に解析し,予後予測を可能にするのが”Radiomics”です.Radiomicsを活用した予後予測に関して様々な報告がなされていますが,治療計画時に取得される医用画像のみならず,日々の照射直前に取得される位置合わせ用画像の副次的利用法として,予後予測における有用性が明らかになっています.しかし,位置合わせ用画像を活用したRadiomicsにおいては,各施設で治療装置や画像取得パラメータが異なることから,その標準化に関する検討が必要とされてきました.

本研究では,位置合わせ用画像の取得に適しており,多種多様な模擬腫瘍を評価可能な人体胸部模擬ファントムを作成し,当院,及び,協力施設を含む8施設にてファントム実験をおこないました.その結果,施設間の装置,画像再構成の違いが画像特徴量へ大きな影響を与えますが,合計16個の画像特徴量が高い堅牢性を示すことを明らかにしました.位置合わせ用画像を活用したRadiomics解析の基盤確立により,施設間のばらつきが小さく,かつ,高い精度の予後予測モデル構築が可能となることが期待されます.


※当科業績はこちらよりご確認ください。