京都大学医学部附属病院 放射線治療科

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当科大学院生 植木の論文が採択されました

当科大学院生 植木の論文がInt J Radiat Oncol Biol Phys誌に採択されました。

https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(21)03223-5/fulltext

以下、論文の内容です。

手術適応のない早期肺癌の患者さんに対してSBRT(体幹部定位放射線治療)が標準治療として認められています。SBRTにおいて照射線量を高めることで局所再発が低下することが分かっていますが、局所再発の低下が生存の改善につながるのかどうかはこれまでよく分かっていませんでした。当院と大船中央病院との共同研究として実施した本研究では、治療後の経過観察中において局所再発や転移(リンパ節転移および遠隔転移)の状態を考慮しながら、その時点から向こう3年間の肺癌死確率を予測できる動的モデルを構築しました。結果、局所再発は転移に匹敵する肺癌死リスクであることが分かりました。

本研究の結果は、早期肺癌に対するSBRTにおいて局所制御を高める治療の開発を支持する統計学的根拠となります。また、治療前のみならず治療後の再発状況に応じてリアルタイムに行える予後予測は、再発時の治療方針を患者さんと協議する上での参考情報となることが期待されます。