京都大学医学部附属病院 放射線治療科

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生物グループの佐藤の論文が、 International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics (Red Journal 誌)に採択されました

生物グループの佐藤の論文が、 International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics (Red Journal 誌)に採択されました。

論文タイトル:
Conventional Fractionated Elective Nodal Irradiation Preserves Early Antitumor Immunity and Efficacy Compared With Hypofractionated Protocols

論文の詳細は以下のリンクよりご覧いただけます。
https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(25)04483-9/fulltext

悪性腫瘍に対する放射線治療において、リンパ節転移のリスクが高い状況では再発予防のために領域リンパ節照射が行われることがあります。
しかし近年、リンパ節への放射線照射が腫瘍免疫を介した抗腫瘍効果を低下させる可能性が指摘されています。

ただし、これまでの報告は主に1回大線量を少数回照射する「寡分割照射法」を用いた動物実験に基づいており、臨床で広く行われる「通常分割照射法」(1回2Gy程度を多数回照射)が抗腫瘍免疫に与える影響は知られていませんでした。
本研究ではマウスモデルを用いて、通常分割法による予防的リンパ節照射が、寡分割照射法と比較して治療初期の抗腫瘍免疫および抗腫瘍効果を保持することを明らかにしました。
臨床で行われている予防的リンパ節照射は近年考えられてきたほど免疫抑制的ではない可能性があります。
また本論文は、同誌の Editorial に取り上げられました。

https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(25)06195-4/fulltext