放射線治療研修システムについて
京大病院放射線治療科における研修システム
当科では修練医(後期研修医)の研修に臓器別ローテーションシステムを採用しています。
臓器別ローテーションシステム
- 修練医は各指導医のもとを2~3ヶ月交代でローテートします。各指導医には担当臓器があり、ローテート中はその臓器に関する外来・治療計画・フォロー等について指導を受けます。幅広いがん領域を臓器別に集中して学ぶことができます。
- 週1-2回の外来、週1-2回の治療計画、週1回の病棟当番を基本とします。担当臓器以外にも総合外来では新患を担当して治療にあたります。
- 週1回のミーティングを行い、修練医の目標達成度や研修内容につき希望をフィードバックし、研修スケジュールを調節します。
病棟業務について
病床・対象疾患
当科は約15床の一般病床と2床のRI治療病床を有しています。一般病床には定位放射線治療や強度変調放射線治療、化学放射線治療など様々な患者さんが入院されます。RI病床には主として放射性ヨード内用療法の患者さんが入院されます。
研修内容
修練医は入院患者さん数名の担当医となり、放射線治療中に生じうる急性反応とその管理について学びます。化学放射線治療症例では抗がん剤使用に関する一般的な知識に関しても学んでいただきます。
外来業務について
外来がん診療部
放射線治療科では外来がん診療部に参画し、集学的ながんの治療に取り組んでいます。 外来がん診療部では各疾患別にユニットを形成し、外科、内科、放射線治療医、画像診断や病理診断、緩和医療を専門とする医師が参画し、診療科の枠を超えた集学的ながんの診療をおこなっています。 これにより「がんの診療」における横断的な知識を身につけることができます。 2016年1月現在、放射線治療医が参画しているユニットは以下のとおりです。
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- 脳腫瘍・小児脳腫瘍ユニット
- 頭頸部がんユニット
- 乳がんユニット
- 食道がんユニット
- 肺がんユニット
- 膵臓がんユニット
- 婦人科がんユニット
- 前立腺がんユニット
- 大腸がんユニット
- 小児がんユニット
- 骨転移ユニット
- 原発不明・希少がんユニット
カンファレンス
科内カンファレンス
- 放射線治療抄読会
- 新規照射症例検討会
- 入院症例検討会、回診
- 研修医・修練医勉強会
診療科間カンファレンス
前述の外来がん診療部では定期的に診療科間カンファレンスを実施しています。
週間予定
ある専門修練医の週間予定を下記に示します
- 月曜:総合外来で新規患者の診察
- 火曜:病棟で入院患者の診察
- 水曜:前立腺がん診で新規患者の診察
- 木曜:放射線治療計画
- 金曜:頭頸部がん診、婦人科がん診で新規患者の診察
この他にカンファレンスや勉強会に参加します。
到達目標
- 主要な臓器のがんについて、「標準治療」の概要が理解・把握できる
- 放射線治療、化学療法、化学放射線療法中の患者に対して、適切な診療ができる
- 適切な放射線治療計画(シミュレーション)を独力で施行することができる
- 放射線治療の物理学的・生物学的基礎に精通し、実際の治療計画に応用できる
- 新患の診察を行い、放射線治療の適応や方法について自主的に判断し、その患者の治療計画を立案することができる
- 定位放射線照射、強度変調放射線治療(IMRT)、小線源治療、術中照射などの、高度な技術が必要な放射線治療に参加し、指導医の補助をすることができる
- 科内および診療科間のカンファレンスに参加し、治療方針について検討することができる
- 経験した貴重な症例について、指導医のもとで学会や専門誌などにおいてケースレポートを発表することができる